茅ヶ崎に住んだわけ

8月に茅ヶ崎市にある茅ヶ崎ゆかりの人物館で開催されている「加山雄三展」に行って来た。※9月24日日曜日まで 館内に入ってすぐ加山(以下文中敬称略)が中学生の時に制作したというカヌーが展示されている。 船底に海中の様子をうかがえる覗き窓が設けられ…

さよならヨコハマ

先月3月14日の夕焼け雲は、とても印象的な夕景となった。 月末には8年間務めた会社を退職する。会社の人たちが、焼き鳥屋で送別会を開いてくれるという。 3月31日夕方、ハマスタ前の喫茶店でコナコーヒーを注文し、一人を飲み始めた。 ここは私の仲人さんが…

トンボさん、おやすみなさい

夜中、暑いので寝床から出て窓のカーテンを開けると、羽根を広げて動かぬ虫。 寝ぼけ眼をこすってよく見れば、蜻蛉(とんぼ)だったわけだが、なんでこの夜中に網戸なんかに止まっているの? 網戸の網が、蜻蛉の翅(はね)と同じようで、また眼(まなこ)を…

紫陽花の花輝いて

「あぢさゐの藍をつくして了りけり」 (安住 敦) 7月の盆入り前の日曜日、お参りに来られた方が生い茂った雑草に驚かれると嫌だから草むしりに行こうと墓参りに出かけた。 いつもは8月の旧盆にお参りする習慣だった。 この日の墓地は、人が少なく静かな雰…

秋の留まる町にて

「老いてこそなほなつかしや雛飾る」 (及川 貞) 「秋の留まる野」と書いて、秋留野。現在のあきる野市。その武蔵引田(むさしひきだ)という町に初めて訪れた3月中旬。 とんがり帽子のような山が、春を呼んでいる。 これは何という山だろう。ぽこんと頂上…

熱海の湯けむり

この一年、どこかに出かけることもなく過ごした。部屋の掃除を済ませ春の陽ざしが家の窓辺に差し込んできたところで思い立ち、妻と出かけようと話しがまとまった。3月5日の土曜日、10時14分発の東海道線熱海行に乗り込んだ。 1時間弱で着いた熱海駅前は、10…

EMMAちゃんと過ごした24日間

太陽と 月と 星と 海があって 山があって 風が雲を運んでいる 川がキラキラ輝いている 地球は不思議 お父さん お母さん 私、 生まれたよ 白菜の前にある奇妙な形のものは、野菜である。八頭(ヤツガシラ)といい、里芋の仲間である。味は、里芋はねっとりと…

生まれてバンザイ

「ねんねこの袖の奥なる赤子の手」(青柳 志解樹) 娘夫婦と夕食を囲んだ。 シシリアンライス。今日、連絡を受けて自分のアパートから駆け付け、娘を病院へ連れて行ったダンナは、モリモリ食べた。普段食事の時に飲む酒も彼は、今日は控えておくと言う。 そ…

バンザイおあずけ

紅葉している木が少ないけれど、去年も同じような風景だったかな。 朝の横浜大通公園。久しぶりに、そろそろ会社へ向かうか。今日は、娘の初出産の予定日。しかし、この日その兆候は現れなかった。 数日後、勤労感謝の日。昼前に仕事から帰ると、娘がお腹が…

K・ヤイリギターを抱えたぜ

10月、横浜市の鴨居の街を歩いていると、線路沿いに最後のコスモスが青空に向かって咲いていた。可憐ではかなげな花だった。 夏に入る頃から、急にギターを弾いてみたいな、どんなギターがいいのかなと気になり始めた。 この一年、山下達郎の曲を毎日のよう…

ヨコスカうみかぜの道②

今日も雨模様。朝から降り続いている。 横須賀の大滝町から戦艦三笠へ至る「うみかぜの道」を歩いている。 「水辺にて」と題された山本正道作の少女像。横浜山下公園にある「赤い靴の女の子」の銅像もこの方の作品。 赤い靴を履いた女の子のモデル、岩崎きみ…

ヨコスカうみかぜの道①

2021年5月の最後を彩る夕景か。いつもより夕焼けの色が濃くなったのと雲の形が面白く撮影。 その5月半ば横須賀に行って、法務局で実家の建物滅失登記をようやく済ませることができた。2度、3度通った。帰り道は、近くの三笠公園に足を向けゆっくり散歩。 右…

遊歩道のお掃除をしました

今週のお題「おうち時間2021」 5月4日は「みどりの日」。風薫る5月です。 近所の人と声を掛け合って、遊歩道の側溝をお掃除することにしました。 10時半になると、一人二人と集まって総勢7人。 その後知らない人だけど、一人プラス。 八重桜が咲き誇ったあと…

年忘れは特になし

「年忘れ集ひ別れし過去未来」 (池内友次郎) 横浜の関内駅を出て大通り公園を歩く。朝の公園を急ぎ足で歩く人は勤め人。ゆっくりと歩く人はリタイアした高齢者か。 赤茶色に色づく三角錐の大木は何と言う木だろう。少し調べてみたが、分からない。落葉松(…

ヴェルニー公園の薔薇

11月と12月のはじめに、時間つぶしを兼ねJR横須賀駅そばのヴェルニー公園を歩いた。 横須賀駅前は殺風景なものだが港の方に向かうと、公園がありいろいろなバラが咲き目を楽しませ、「とげとげしい」気持ちをなだめてくれる。 軍港らしく、戦艦陸奥の大砲や…

初恋の話し

「いつ渡そバレンタインのチョコレート」 (田畑美穂女) まだ暑さの残る9月の中旬だった。妹は、8月19日に診察を受けに行った病院で即入院となり、ベッドに横たわったままの生活を送っていた。 容態の落ち着いていた妹が、病室の窓から見える小山を指さして…

渡り廊下

「はばかりてすがる十字架や夜半の秋」(芝 不器男) 病院は、2カ月を超えての入院は出来ない。病が治癒していなくても出ざるを得ない。 そこで患者の選択肢としては、他の病院に移るか、リハビリ目的の施設に移るとか、あるいは自宅療養で通院するとなるが…

平凡な日々

「有明の月に身の修羅語りけり」 (中村ヨシ江) 病室から空が見える。眠れぬ夜がまもなく明ける。 平凡な日々が続くということの有り難さ。 衣笠病院の玄関前に咲き始めた黄色い花の名は「ハナセンナ(あるいはカッシア)」。別名アンデスの乙女。花言葉は…

ある日のきのこ飯

「生きて仰ぐ空の高さよ赤蜻蛉」 (夏目漱石) 妹の入院している病院へ向かう途中、赤とんぼが漂うように目の前に飛んで来た。目を上げると、未だ赤く染まっていない腹を見せながら、スッと空の上に去って行った。 また今年も赤とんぼがやって来た。去年と同…

暑さは続くよ

「塗り箸を渡してゆるきわらび餅」 (金久美智子) 京都の老舗、五建外良屋のわらび餅。透き通る黄金色のわらび餅に、濃い目に煎られたきな粉がかかる。 それは、やんわりと冷たい透明感のある食べ物であった。 私の自宅の近所には、小さな川が流れている。…

船橋屋のくず餅

八月に入ったら、すぐに立秋を迎えた。 「秋立つや川瀬にまじる風の音」 (飯田蛇笏) 残暑お見舞い申し上げます。気温は午後3時で32度。 電車が駅に到着し、乗客がどっとホームに降りて来る。改札口では人に揉まれながら駅のコンコースに押し出されると、…

梅雨明ければ夏の雨

「さつきから夕立の端にゐるらしき」 (飯島晴子) 梅雨明けが昼前に発表されたが、午後俄かに空に雲が広がって、大粒の雨が木の葉や、地面を打ちつけた。大急ぎで自転車を漕いで家路に向かう学生さん。雨宿りできる場所はあるかしら。 部屋で、金子由香里の…

関東平野梅雨に隠れてしまひけり

表題は、鈴木真砂女の平成10年の俳句。山本憲吉の本を読むと、梅雨は「豪雨ではなく地雨で、降りみ降らずみの天候がつづき、だいたい六月二十五日から三十日ぐらいまでが頂上である。」と書かれている。 「旅戻り雨傘梅雨を滴らす」 (平成10年鈴木真砂女) …

晴耕雨読

線状降水帯による大雨でまた九州熊本周辺が大変である。 熊本には、妻の妹が住んでいる。それから、私と妻の共通の友人Wさんの実家は熊本だ。気が気でない。どうしているだろう。 Wさんの「おもいで酒」が聞きたい。 さて、私の古い大切な友人である「立川の…

おにぎりを握る

「飯食ひに出づる茫々たる梅雨の中」 (石田波郷) 雨が小降りになったかと思うと、時に激しく降り出して本格的な梅雨の時期を迎えている。 どうも朝っぱらから気持ちが晴れないので、どこかに出かけられるかなと淡い気持ちを抱きつつ「おにぎり」を握った。…

アツアツで、冷え冷えで美味しくて

「学ならずもんじゃ焼いてる梅雨の路地」 (小沢信男) 孫娘のSちゃんを交えて、家でもんじゃ焼きをした。 家族揃えば、妻と私と娘の3人プラスSちゃんで4人になるところ。しかし最近、私の娘は休みというと遊びに出かけてしまい家にいることが少ない。妻と二…

鶯はどこで寝るの

ある日のJR鶴見駅。京浜東北線の停車駅。川崎駅と横浜駅に挟まれた工業地帯の駅。 駅構内に入ると、カメラを持ったおじさんやお兄さんがいつになく多い。何か特別な列車が通るのかなと思いながら、帰りの電車に乗るためホームを急いで歩いた。 するとやがて…

目も胃袋も

遊歩道の脇に咲く赤い花。歩く目に、一直線で飛び込んで来る赤。 こちらは、花菖蒲? 網目模様があるようなので。なんとも艶やかな紫色と白のコントラスト。優しい気持ちになる。 「野あやめの離れては濃く群れて淡し」 (水原秋櫻子) 花の名前が分からない…

レストラン再開

「コレラ出て佃祭も終わりけり」 松本たかし この度のコロナウイルスは相当に危険なもので、多くの人が外出を控えているが、どうしてもうまい梅干しが欲しくなり御殿場線に乗って下曽我駅まで来た。 この御殿場線は、JR東海の所管であることを初めて知った。…

外出を控えて下さい

市役所防災センターから、頻繁に放送が流される。 「コロナウイルス感染予防のため外出を控えて下さい」と。 そう、世の中は感染拡大を防ごうといわゆる不要不急の外出を控えている最中。私の会社も、特に出社する用事がなければ直行直帰で構わないと言って…