2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

初恋の話し

「いつ渡そバレンタインのチョコレート」 (田畑美穂女) まだ暑さの残る9月の中旬だった。妹は、8月19日に診察を受けに行った病院で即入院となり、ベッドに横たわったままの生活を送っていた。 容態の落ち着いていた妹が、病室の窓から見える小山を指さして…

渡り廊下

「はばかりてすがる十字架や夜半の秋」(芝 不器男) 病院は、2カ月を超えての入院は出来ない。病が治癒していなくても出ざるを得ない。 そこで患者の選択肢としては、他の病院に移るか、リハビリ目的の施設に移るとか、あるいは自宅療養で通院するとなるが…

平凡な日々

「有明の月に身の修羅語りけり」 (中村ヨシ江) 病室から空が見える。眠れぬ夜がまもなく明ける。 平凡な日々が続くということの有り難さ。 衣笠病院の玄関前に咲き始めた黄色い花の名は「ハナセンナ(あるいはカッシア)」。別名アンデスの乙女。花言葉は…