関東平野梅雨に隠れてしまひけり

 表題は、鈴木真砂女の平成10年の俳句。山本憲吉の本を読むと、梅雨は「豪雨ではなく地雨で、降りみ降らずみの天候がつづき、だいたい六月二十五日から三十日ぐらいまでが頂上である。」と書かれている。

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 「旅戻り雨傘梅雨を滴らす」  (平成10年鈴木真砂女

 真砂女さんがよく行った南伊豆奥石廊の中木方面を写したもの。

 2年前に私も訪れた。はっきりしない天気だったので、この時期になると思い出す。その時のことは、もう一つのブログ「真砂女の俳句旅」に拙い文章を書いた。 

 ここ数年の間に気候が大きく変化したようだ。今年はいまだ梅雨明けせずよく降り続き、関東のみならず各地に大きな被害をもたらしている。

 そしてコロナ騒ぎだ。ほとんど出かけられず、憂さもたまりがち。

 先日熊本にいる妻の妹にお見舞いを送ったら、お返しにメロンをくれた。    f:id:hk504:20200725163057j:plain

 立派なメロンをいただいてしまい却って恐縮。

 1個づつ、家を出て行った娘家族に配って回る。それぞれ大喜び。

 お礼にラインで、孫が実に美味しそうにメロンをほおばる顔を送った。

 私のところは、妻とまだ嫁に行かない娘との3人家族なので、一個のメロンをなかなか平らげられなかった。

 「休日やひとりのメロン四ツに切り」  (昭和43年鈴木真砂女

 

 このメロンの前、佐藤錦のサクランボを勤務する会社からいただいた。

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 サクランボは、妻はあまり好まないので娘と分け合った。

 これは私の分。白い皿にサクランボを置いていくとコロコロ揺れた。

 「茎右往左往菓子器のさくらんぼ」  高浜虚子

 荒梅雨の中、今年はずいぶん美味しいものをいただいた。