鶯はどこで寝るの
ある日のJR鶴見駅。京浜東北線の停車駅。川崎駅と横浜駅に挟まれた工業地帯の駅。
駅構内に入ると、カメラを持ったおじさんやお兄さんがいつになく多い。何か特別な列車が通るのかなと思いながら、帰りの電車に乗るためホームを急いで歩いた。
するとやがて、鮮やかな赤色をした機関車が横須賀線のグリーン車などを連結してホームの前を通過して行く。
赤色は、「紅の豚」の飛行機の色と同じで、なんの役目を負った機関車か知らないが、颯爽としてかっこよい‼
その引っ張って行く姿が、お父さんらしいではないか❣
人生のロマンを感じさせるお父さんでありたい( ^ω^)・・・
父の日の今日、女房はすき焼きを作ってくれた。肉は牛肉ではなく、豚肉だ。先日TVドラマで、出張中の会社員が、夕食に豚すき焼きを食べる場面があり、実にうまそうに食っていたのだ。
豚肉も旨かった。
たらふく食べ「父の日」を実感というところだが、最近は20代の娘とどうもしっくりこない。昨日は些細なやりとりから、「そんな形でしかコミュニケーション取れないのかよ」と言われてしまう始末。
父親の権威も何もない。昔だったらすぐ激怒したところが、近頃怒らなくなった。
距離感が掴めない。
しかし今日の夕食の時は、娘のために玉子を割ったり、すき焼きに入れる「たま麩」を取ってやった。
娘との接し方に迷う日々。
しかし、日ごろ家族を牽引する父親でありたいな。そう思ってはいる。
居間に行くと、鶯の鳴き声が川沿いの遊歩道から聞こえる。季節外れの鶯。何故今頃鳴いている?
この鶯は春先に鳴いていたが、やがてその声が聞こえなくなったので山に戻ったかと思ったら、まだこの辺にいたのだ。
「ホー ホッケキョ」
夕暮れの中に、遠く大山や丹沢の山並みが見える。
お前は独りぼっちか。家族はいないのか。彼女が出来なかったのか。まだこの辺りにいるのは、山に帰りたくないからか。
それとも家族に見放されたか?
「夏鶯さうかさうかと聞いて遣る」 (飯島晴子)
やがて辺りが薄暗くなり、その鳴き声は止んだ。