梅雨空につぶやく
「こころ足る日は遠出せず花葵」(福永耕二)
行く時に見つけて、仕事が終わってから撮影した。
若い時は花に興味はなかったのに、近ごろよく目につくようになった。花は見つけた瞬間が一番美しい。その時その小さな命が一番輝いて見える。
それをタイミングよくカメラで撮るのは難しい。
その中に次のような論語の句が出てきた。
「成事(せいじ)は説かず、
遂事(すいじ)は諫めず、
既往(きおう)は咎めず」
この言葉を読んだ時、思い出すことがあった。
数年前に、私の子供が起こしたことを。
それ以来、その子は家に顔を出さなくなり、いつか住所がわからなくなった。なぜそんなことをしたんだと、その時は言いたかった。
しかし、そう思うことは、ずいぶん不幸なことではないか。何も進まないではないか。現実を受け入れるしかない。
こだわりは捨てて、誠意をもって子供に向き合おう。過去は過去。
自分も意固地な性格だな。年を取ったら、それでは困る。
令和元年6月8日 紅の豚次郎拝