エキゾチック横浜

 横浜、横濱、ヨコハマ、よこはま。
 坂が多くて、道も狭い。曲がりくねった迷路のような道。かたや、みなとみらい地区を代表する先進的な都市景観。私なりに歩いてみました。
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 さる3月3日日曜日、訪れた山手111番館。
 スタッコ仕上げと言われる外壁が、春とは名ばかりの氷雨に濡れたスパニッシュスタイルの建物は、J・H・モーガン設計。初代の所有者ラフィンは日本人妻みよと大恋愛し8人の子をもうけた。その長男が結婚する際に建てられたもの。
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  玄関を入ると、吹き抜けのホール。
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 この道の先には、港の見える丘公園がある。
 多分この下に行くと、海と船を愛した横浜の画家柳原良平の家があるのでは…
 「春遅々とたためる傘の滴れり」(蓬田紀枝子)
 その一月後、本牧も近い根岸台を訪れた。高級住宅街の街。
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 その中で広範囲な土地を占めているのは、米軍管理の「根岸住宅地区」。すでに住む人もなくアパートスタイルの建物は、少しづつ朽ちてゆく。
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 根岸旭台の信号表示がある交差点の近くにレストラン「ドルフィン」がある。
 言わずと知れた、ユーミンの「海を見ていた午後」に登場するレストラン。
 「あなたを思い出す この店に来るたび 
  坂を上って今日も ひとり来てしまった
  山手のドルフィンは 静かなレストラン
  晴れた午後には 遠く三浦岬も見える
  ソーダ水の中を 貨物船がとおる
  小さなアワも 恋のように消えていった…」
 ここにも青春のかけらが残っていた。 
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 こちらは米軍の管轄の消防署(所?)。「LEARN NOT  TO BURN」。

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          ※後日撮影 中にはこんなかっこいい消防車が待機してました。

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 敷地の端っこに、新聞販売機?がある。現在も使用中なのかどうか。トランプさんの顔が見える。
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 この先、少し歩くと103系統の横浜駅行バス停「旭台」がある。
 そこは桜見物でも有名な根岸森林公園入口である。この公園は、日本の洋式競馬場発祥地があったところ。
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 わかるだろうか、桜の上に同じような形をした三つの建物が頭をのぞかせている。ハリー・ポッターに出てくるような、ちょっと不気味な雰囲気を感じる建物だが、これも先のJ・H・モーガン設計の「旧横浜競馬一等馬見所」である。モーガンさんは、この近所だとベーリック邸も設計している。
 右奥にはランドマークタワーが突き出ている。
 さて、高台を外れて海の近くを散策しよう。今回は金沢文庫から金沢八景近辺。
 京急金沢文庫駅を下車して八景島に向かう通りには、7~800m位のわずかな距離にうなぎ屋が4軒ある。路地に入ったらもっとあるかもしれない。また、神社やお寺も多い(5か所)。
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 途中、鮨屋の表に「小柴の穴子」と書かれた品書きが張り出されていた。この辺の名物に違いない。ウナギもいいけど、穴子も負けないぞ。 
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 地名も寺前という。このお寺は「龍華寺」。
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 金沢八景の洲崎公園から対岸を眺める。
 小学生のころ遠足で、潮干狩りに来たことがあったが、この辺だったのだろうか。 
 釣り船が漁から帰って来て、昼寝中。
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 琵琶島から望む八景の海。琵琶島は、その形が琵琶に似ていることから名づけられたという。1180年(治承4年)源頼朝の妻北条政子創建の人工島で弁財天を祭る。
 道の反対側には、瀬戸神社。これは、源頼朝創建。
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 なかなか横浜は古いものから新しいものまで織り交ざって面白い。
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 (ちょっと横道にそれて)これは横浜市磯子区洋光台にある邸宅に咲く桜。なまこ壁がぐるりと敷地を囲んでお城のようだ。
 最後に横浜を離れて、神奈川県三浦半島に咲くタンポポの写真と、東京湾をご紹介して終わりにしましょう。
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 これまで寒い日が続いたので、ようやくタンポポが花を咲かせた。
 「たんぽぽや日はいつまでも大空に」 中村汀女
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 三浦海岸の砂浜が凪ぎの海との境を仕切り、東京湾のずっと先中央に白いものが写っていますが、船です。舳先(へさき)がとんがっていて船体が白いので、海上保安庁の船かも知れません。左側には久里浜にある火力発電所の煙突が、今日はお休みのよう。
 行きかう貨物船やタンカー。動いているのか、止まっているのか、漂っているのか。はたまた波に押されているだけなのか。
 少し目を離していると、それはもう遠くに行ってしまっている。同じようで、すでに同じものではなくなっている。
 「あのとき目の前で 思い切り泣けたら
  今頃二人 ここで海を見ていたはず
  窓にほほをよせて カモメを追いかける
  そんなあなたが 今も見えるテーブルごしに
  紙ナプキンには インクがにじむから
  忘れないでって やっと書いた遠いあの日」
       平成31年 4月7日 紅の豚次郎