茨の実?茅ヶ崎サイクリングロードをゆく
今年の10月はひどい月だった。台風15号、19号、そして21号の影響による大雨。各地で被害をもたらした。千曲川の決壊をはじめとする河川の氾濫など。雨が上がった後に氾濫する川の荒れ狂った様は度肝を抜いた。
お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたします。
そして被災された方々の一日も早い、生活基盤の復旧、復興(生活再建)を、そして疲れ果てた心に平安と喜びが訪れますことをお祈りいたします。
10月20日、茅ヶ崎サイクリングロードに出かけた。台風19号により崩れたところもあると聞いたので。写真は、相模川河口付近の様子。対岸は平塚漁港となる。3年ぶりくらいに見る光景。
晴れていれば、伊豆半島や天城山、少し左に降りていくと富士山も見えるところ。
視線を前に向ければ、茅ヶ崎の港、烏帽子岩、その先に江の島が遠望できる。護岸の内側で遊ぶ家族連れも。
平らなこの道は、藤沢まで続いている。
「折りとりてはらりとおもきすゝきかな」(飯田蛇笏)
ススキが海の風になびく。向こうの林の中には、キャンプ場がある。
一面の枯れた草の中に、小さな赤い実が成っていた。
調べてみたものの、いまだよく分からないが「茨の実」とみた。
「懸命に赤くならむと茨の実」(右城暮石)
※2019年11月9日にゲーテの「荒野のバラ」の詩は削除しました。
烏帽子岩の近くを、帰って来た釣り船が通り過ぎようとしている。
茅ヶ崎の堤防の向こうに江の島。ここまで歩いてくると、海の香りと風に包まれて、心も穏やかになってくる。
「江の島は にはかに近し秋の海」(吉屋信子)
年間を通じて多くの人が訪れる江の島。この島に関わる俳句は数多い。
藤沢の鵠沼(くげぬま)が終点だが、そのまま国道134号線沿いをたどれば江の島に到着する。
うっすらと水平線上に大島。
「秋汐に泳ぐ孤独の男あり」(昭和48年鈴木真砂女)
遊歩道の両側にある竹の柵が壊れていた。この先藤沢寄りでは、道自体が波に崩されたところもあるそうだ。
砂で道が狭くなっていたり。しかし、少しづつ砂を取り除くための作業が行われている。この程度で済んでよかった。
サザンビーチちがさきのモニュメント!
昨日ここで「茅ヶ崎サザン芸術花火大会」が開催され、3万6千人が集まり花火を楽しんだという。サザンオールスターズの曲に合わせて、花火が打ち上げられる。その音は、海岸から1キロちょっと離れた我が家にも響くほどのものだった。
水色の椅子はその時使用されたもので、大勢の作業員がヘルメット姿で片付けに追われていた。
Cの字の所に、恋人同士が並んで立って円が出来ると、恋が成就するという。ご縁が結ばれるというわけで。
「秋の蚊のよろよろと来て人を刺す」(正岡子規)
※「よろよろ」の表記は一部原文と異なります。
筆者には、この「別れ蚊」の方が似合っているようです。