ア~ 八重桜の花が散る
「ゆく春のとどまる処遅ざくら」 (黒柳召波)
4月12日の日曜日、近くの川沿いで八重桜が咲き始めた。今年は例年よりも10日くらい開花が遅かった。
白や、薄く赤みを帯びた花や、緑がかった花が咲きこぼれるように初々しく競い合っている。
ようやく君たちの出番。
青空に浮かぶ雲のようだ。
「日と空といづれか溶くる八重桜」 (渡辺水巴)
ボリューム感たっぷりで、ぼんぼりのよう。明日からしばらく楽しみだと、思っていたら…
翌13日は強い雨と北風が終日八重桜に襲い掛かり、せっかく開いた花びらがあちらこちらに吹き飛んだ。
そして今日18日、これまで健気に耐えていた八重桜ではあったが、昨日の夜からの激しい雨と南西からの風にあおられた。
雨が上がったので様子を見に行くと、地面には八重桜のたくさんの花房が落ちていた。人の足に踏まれて見る影もなく。
ア~ なんてことでしょう❕
それでも残った花はまだまだ頑張る。君たちの季節は始まったばかり。
「ひとひらの雲ゆき散れり八重桜」 (三橋鷹女)
もう少し青春を謳歌したいと、君たちは言っているようだ。
そして、コロナウイルスを蔓延させぬよう、ひっそりと忍んでいる私たちを楽しませて下さい。