北アルプス清里そして釜めしに出会う

「夏さむしここより奥に山の霊」(宇多喜代子)
 今年は気温の低い状態が続いている。先日車で目指した山梨県北杜市に位置する清里高原は、夏も涼しいイメージだ。
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 3,000mに迫ろうという山々が、清里高原を囲む。
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(2015年11月撮影)
 高さが同じようなのでどれが赤岳かわからない。
 清里に初めて訪れたのは、大学1年生の時で所属していた絵画同好会(私はへたくそでした)の夏合宿だった。もう40年も前のことで、清里駅からどうやって清泉寮までやって来たかさえも記憶にない。懐かしい気持ちだけが残っている。
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  1957年建築で、その開拓の歴史の象徴である清泉寮だが、ソフトクリームも有名だ。ここに来ればまず買い求めて、草原を眺めながらこいつをペロッとなめる。歌手のT・Mさんもソフトクリームが好きだとラジオで言っていたよ…「たまに車を飛ばして、このソフトクリームを食べにくるの」と。
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 私は、清泉寮の木の匂いがして落ち着いた館内の雰囲気が好きだが、敷地内にある「キープ・やまねミュージアム」も好きである。
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 本物のヤマネの姿を見たことはない。ニホンヤマネは体長13㎝位(頭から尻尾の先まで)。ネズミに似ているが、ヤマネ科である。林業に従事する人たちからは、山の守り神として大事にされているという。
 実物を見ることが出来るのは、冬眠時。ここの館長が近くの森から眠っているのを探し出してきて、ケースの中に入れたのを見るのである。
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 やまねミュージアムに向かう途中の道から、少しだけ奥に外れたところに二宮金次郎風の石像がある。
 本を読む表情が真剣で、とても気になる少年の姿である。おそらくだが、開拓時代の生活の厳しさ、勉強することの大切さ、そして忍耐というものを表しているのではないだろうか。
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散策も楽しい。
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砂糖楓の木か。種子が竹トンボのようにくるくる回って空を飛ぶ。

紅葉の時はきれいだ。

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 この写真の奥に富士山がうっすらと見えるのだが、神奈川県から見る富士山とは形が違っている。
 清里高原の最後に、11月の赤岳をご紹介しておきましょう。
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 実に神々しささえ感じる山の姿。静かだが、どーんとした迫力に溢れ、確かに山の霊がこもっている。
 次は、清里駅周辺。40年前を思い出すかと思ったが。
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 全く様子が変わっていた。写真手前を右に上って行くと駅舎がある。列車が到着すると、旅行ケースなどをゴロゴロさせた人が、ぞろぞろ改札を出て来て迎えの乗用車やバスに乗るが、やがてどこに行ったのか消えてしまう。
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 しかしこの駅の構内で、あの峠の釜めしが販売されていたのである。本来は横川駅だろうが、出張販売店なのか。駅の中にしっかり売店があった。
 3個買うと、何故か達成感と満足感に包まれたのであった。
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 自宅に戻ってから、昔を思い出しながら夕食でいただいたが、私の郷愁に寄り添うように、一つ一つのおかずがとても美味しく,しかし全体に調和が取れていて、これは本当に完成された弁当である。
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 元祖峠の釜めし130周年である。 
 翌日、この益子焼の器に米を一合入れて200㏄の水を加え、ガスコンロでご飯を炊いた。始めチョロチョロ、中パッパというが、ずっと小さな火で大丈夫だった。おこげが出来ご飯はふっくらとして、これまた美味しかった。二度美味しいというやつである。
令和元年7月14日 紅の豚次郎拝