夏空広がる
昨年の秋祭りで白目高を4匹買った。やがて年を越すと、2匹が残った。
残った2匹は雄、雌だったようで、5月頃から小さな糸くずのような赤ちゃん目高を19匹生んだ。これはその子たちの成長した姿で、先日孫たちに分け与えたから、現在は6匹だけ。
この子たちの他にも、火鉢に水を入れて飼育している「第二世代」の小さな目高たちがいる。
正確な数はわからないけれど、10匹以上元気にぴっぴっぴっと、火鉢の中を泳いでいる。
「水底の明るさ目高みごもれり」 (橋本多佳子)
目高は縄張り意識が強いようで、仲間を食べてしまったりするようだ。かわいい姿とは裏腹に残酷な一面もある。
自宅の近くを散歩していると、清楚な様子の白い花が咲いていた。鉄砲百合だ。
「百合の香を深く吸ふさへいのちかな」 (村越化石)
花言葉は、「純潔」「無垢」「甘美」「威厳」。香りはあまりしない。
同じ場所で芙蓉の花が開花しているのを見つけた。葉っぱが虫に食われているが、花の色が目に優しい。ガーンとした夏の陽ざしを受け咲いている花は、健気にも見える。
花言葉は、「繊細な美」「しとやかな恋人」。
しとやかな恋人。いいですね。
「物かげに芙蓉は花をしまひたる」 (高浜虚子)
俳句としては、「芙蓉」は秋の季語だが、開花時期は8月~10月とのこと。これからしばらく楽しませてくれるはずだ。
炎天下に、暑い暑いとヒーヒー言って気持ちが固くなっていた。
しかしそのかたわらに、心和ませてくれるものがあった。
令和元年 8月 4日 紅の豚次郎拝