東京の夏は暑かった

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 「送り盆水に思ひをつくしけり」 (石田勝彦)

 さる8月17日に、久しぶりの休みを利用して東京駅にあるステーションギャラリーで開催されていた「メスキータ展」を観に行った。

 開館時間には、少し間があったので東京駅丸の内側をプラプラして過ごすことにした。駅を出るとモワーっとした風に出迎えられた。      

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 オリンピックの表示板があり、

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 皇居方面には「涼し気な」水を張った路面が広がる。     

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 東京駅は進化中であった。しかし、暑くてたまらず地下街に逃げ込んで展覧会場に向かった。

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 メスキータは、1868年から1944年にオランダで活躍した版画家、画家、デザイナー。特に木版画のシャープで簡潔な表現は特徴的とパンフレットに紹介されている。

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「ユリ」1916~1917

 白と黒のコントラストが美しい。木版画とは思えないような繊細な曲線。今から100年も前の作品とは思えないみずみずしさ。現代にも通用するデザインの素晴らしさ。

 彼は人々に感動を与える芸術家であったが、ほどなく強制収容所に家族ともども捕らえられることになる。それは彼が、ユダヤ人だったからだ。会場内にあった彼の年譜。

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 その作品には、時代の中でひしと耐え忍び生きようという重い運命が感じられた。

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 一人息子ヤープの顔だろうか。残念ながら題名を忘れた。

 1944年2月メスキータは妻とともにアウシュヴィッツにて死す。ヤープは同年3月テレジエンシュタットにて死す。

 「木々のこゑ石ころのこゑ終戦日」(鷹羽狩行)