横須賀どぶ板通りを歩く
紅というには薄く、ピンク色が濃いと表現すればよいのか。ブラシの形をした花が、風にゆらいで元気一杯。
母親の特養入所を申し込むため、普段あまり通らない道を、自転車を走らせていて見つけた。その帰り道に撮った写真。
「きっかけはハンカチ借りしだけのこと」(須佐薫子)
花言葉は「はかない恋」。
前日、墓参りで横須賀に行った。
「母の手に墓参の花を移す夢」(飯田龍太)
スッキリした気持ちになって、昼前、どぶ板通りに向かった。
水曜日ということで、開いている店もまばら。人通りもほとんどない。時折、アメリカ軍の兵隊さんが、手にお弁当が入っているようなビニール袋をぶら下げてどこかに帰っていく。近くにアパートがあるのだろう。
「大正湯」と書いてあるビルの隣りにあるマンションのベランダから、タバコの煙がもくもくと上がっていた。兵隊さんがお仕事が終わって一服している様子。
大正湯は銭湯だろう。珍しいから確かめようとそのビルのそばまで行ったが、銭湯らしき入り口はどこにもなく、雑居ビルになっていた。
数年前沢口靖子の主演で、DVがテーマのNHK連続ドラマに出てきたような「昭和」がそのまま残ったアパート。ドラマでは、夫の暴力から逃げてきた母子が、こんな感じのアパートに息を潜めて住んでいたことを思い出した。
どぶ板通りも今は小ぎれいになっているが、私が中学生のころは飲んだくれた米兵がうろついて、いつもどこかでケンカ騒ぎがおきている「暗くて怖くきたないところ」で、とても子供が近寄れるイメージはなかった。
真砂女さんのいた銀座の路地は、この半分くらいの幅だったろう。
「横須賀本町シェル」という店で、QuarterサイズのNavyバーガーを食べた。私の腹にはこのくらいがちょうどいい。
Regularサイズだと、パテが227gでとてもビッグ。さすがNavy‼腹がパンパンになる。※Quarterサイズはパテが113g
…主役が奥に行ってしまった…
フォークグループのゆずが来たことがあるらしく、古い色紙や「ゆずノート」が何冊も残っていた。黄ばんだノートをめくると、若い女の子たちがコンサートの素晴らしかったことやゆずへの思いなどを綴っていた。
「麦酒のむ椅子軋ませて詩の仲間」(林田紀音夫)
令和元年 5月18日 紅の豚次郎拝