新潟古町界隈散策(2)

 日曜日の朝7時半頃。それほど早朝でもない時間。気温は10℃位。人口80万人都市の新潟市内、あまり歩いている人は見かけない。
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 アーケード街の古町商店街を抜けると新川小路に入る。アーケードではないが、歩道上に軒がしっかり伸びているのは冬の雪対策だろう。途中には、「古町糀製造所」や革製品専門店など面白そうなお店が多いが、早朝のためか開いている店はセブンイレブンだけだ。
 人けのない商店街を歩いていると、小さな神社やお寺が多いことに気づく。古い木造の家もちらほらあり、昭和と平成が入り混じっている様子。
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 新川小路の先に、白山神社の参道があり神主さんと思しき方が「出勤」されるところだった。
 ウーン、今まで通って来たところは、いわば白山神社門前町、参道だったのだな。
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 添木に頑丈に支えられた松の木。雪の重みにも十分耐えられそうだ。
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 朝の白山神社本殿。きりっと引き締まった空気の中にどっしりとした構えの神社。
 信心深い方が参拝に訪れている。すれ違えば「おはようございます。」というあいさつがかかる。こんなささやかなことに繰り返された1300年の歴史の重みを感じる。
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 境内には「白山さまは歯の神様、医療安全の神様」という高札。
 池もあり、白山神社は公園として市民に親しまれている。市街中心部にこのように緑豊かな広い公園があり、うらやましく感じた。 
 さて、帰り道。古町アーケード商店街(マンガ通り)の中に水島新司の漫画に出てくる主人公たち7人が、ブロンズ像になっている。
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 この人は、岩田鉄五郎選手。野球狂の詩など水島作品の全品に登場するという。
 他に、殿間一人(ドカベン)、岩鬼正美(ドカベン)、山田太郎ドカベン)、里中智ドカベン)、水原勇気野球狂の詩)、そして水原新司の理想を体現したという男、景浦安武あぶさん)。

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 好きな人なら、誰が誰か分かりますね。岩鬼が口にくわえているのは蠅でしたっけ?

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 最後にプロ球界初の女性選手、ドリームボールを投げる水原投手の勇姿を紹介しよう。

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 面白い道だ。彼らの姿に夢中になりながらキョロキョロ戻っていると、朝日に照らされた左側の路地に忽然と現れたものが…
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 弘願寺というお寺の弘法大師像だった。30尺(9m)の高さがあるというが、お寺から突き出ているように見える。どんな構造になっているのかな?雨漏りしないかな?
 他にも、人間国宝松久明琳作の仏像があるとのこと。飲み屋などがある普通の路地にそんなお寺があるということに\(◎o◎)/!。 
※速報で高さ30mとお知らせしました。ご免なさい。 
 張り巡らされた電線が、仏様が投げる網のように見えた。 
「南無大師遍照金剛」 
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 最後に、マリンピア日本海がある寄居浜に行く。穏やかに海が広がる。遠くに半島らしきものが望め、心がパッと開ける眺めだ。海はいいなあ。
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 砂浜ではなかったが、きれいに透き通り静かに寄せる波。
 地元出身の歌人會津八一の短歌。
 「故郷の浜の白砂若き日を共に踏みけむ友をしぞおもふ」

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 遠き若き日の思い出が沸き起こる。
 今回車で新潟までやって来た。関越トンネルを抜けると、湯沢、六日町、十日町、魚沼、小千谷、長岡、三条燕など新聞テレビなどでも時々耳にする地名が目に飛び込んでくる。
 湯沢は、20代の前半に初めてスキーをやったところだった。長岡は、大学同期のSの出身地だ。十日町は、かつてこの町に来て仕事しないかと誘われた町。いろいろあったじゃないか。道はつながらなかったけど。
 はやばやと雪をいただく山々を遠くに望みながら、車窓には稲刈りを終え冬を待つ田んぼがはるかに広がる。
 点在する民家、どこか懐かしい眺め。私の父親の実家、島根県平田市(現出雲市)の風景を思い出す。
 郷愁を感じさせる新潟。しかしこの数十年の間、北朝鮮による拉致があり、日本人が問答無用に家族から引き離され、人権も何もない独裁国家にさらわれた。自然災害もあった。地震があり、風水害に何度も見舞われている。
 何事もなかったかのような風景の背後には、人々の痛ましい過去や歴史が潜んでいるところでもあるのだ。それを忘れないようにしよう。
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  私にも人生の分岐点はいろいろ転がっていた。そして今がある。
 また、行きたいな新潟。
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 ※私の妻も気に入ったようです。
 面白いものがまだまだたくさん転がっている新潟古町散策。今回はこれで終わり。あらためて訪ねてみたい土地だった。